杉野繁一・芳子旧邸(杉野記念館) (4 画像)
杉野記念館は、杉野学園創立者杉野繁一・芳子夫妻が終生を過ごされた旧居で、夫妻の没後学園に遺贈された建物である。設計は、初代理事長であり、芳子の伴侶であった杉野繁一によるもので、1938(昭和13)年に建てられた。
繁一は、建築会社の設計技師で、二人は米国で知り合い1917(大正6)年に結婚し、1920(大正9)年に帰国した。1926(大正15)年のドレスメーカー女学院創立以来自宅と教室が共存する生活を経て、1938(昭和13)年に「やっと持てた」思いの自宅であった。「地味だけれども光り輝く風格がにじみ出ていて、軽薄さのみじんもない、いぶし銀のような落ち着き。しかもスタンフォード大学で学んだ専門技術の上に、重ねてきた建築の体験と熟練した腕と新知識を思うがままに生かして、合理的に工夫されている。」と芳子はその自伝「炎のごとく」に述べている。
1945(昭和20)年の東京大空襲で学院の校舎の大半が焼けおち、焼失を免れたこの自宅は、戦後の再興期に2階の一部が教室として利用されたこともあった。以後は、国内外の著名デザイナーやエディターなどの訪問で応接間は賑わい、書斎では理事長は管理運営のための構想や打ち合わせで、院長はショーや授業の参考作品のデザインや制作研究を日常的に行い、その関係者や学園の先生方・学生達が頻繁に出入りし活気に溢れる夫妻の活動の拠点としての住宅であった。

・東京都品川区上大崎4-6-19
公式ホームページ

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