かぎや跡 (6 画像)
かぎやは坂本宿時代のおもかげを残す代表的籠建物である。伝承によれば、およそ370年前、高崎藩納戸役鍵番をしていた武井家の先祖が坂本に移住し、旅籠を営むにあたり役職にちなんで屋号を「かぎや」とつけたといわれる。まず目につくのは、家紋の結び雁金(かりがね)の下に「かぎや」と記した屋根看板である。上方や江戸方に向かう旅人にわかり易く工夫されている。
屋根は社寺風の切妻、懸魚(けんぎょ又はげぎょ、屋根の破風に取りつけた装飾)があり、出梁の下には透し彫刻が施されている。
間口六間で玄関から入ると裏まで通じるように土間がある。奥行きは八畳二間に廊下、中庭をはさんで八畳二間、往還に面しては二階建て階下、階上とも格子戸である。宿場は街道文化の溜まり場である。坂本宿も俳句、短歌、狂歌をはじめとして、とりわけ天明・寛政のころは最盛期で馬子、飯盛女にいたるまで指を折って句をひねっていたという。当時の当主・鍵屋幸右衛門は紅枝(べにし)と号し俳人としても傑出していた。

・群馬県安中市松井田町坂本甲210

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